分類 : 神霊、管理人オリジナル
登場作品 : 猟闇師 ~ 淵から来る者 ~
陰陽師、御鶴木魁の使用する式神の一種。
紙人形に自分の霊力を込めて作った式神ではなく、自分の無意識の一部を霊的な存在として具現化したもの。
そのため、神というよりは、むしろ生霊に近い存在である。
式神としての能力は霊能者の魂の強さに比例する。
また、具現化に伴い人格が無意識の方へと傾くことになるため、まともな修行をしていなければ人格崩壊を引き起こした上で暴走し兼ねない危険な術でもある。
形状も人によって様々であり、魁の使用する妖式神は背中に九本の刀を背負った鎧武者のような姿だった。
分類 : 儀式,悪霊
登場作品 : 猟闇師 ~ Jの祟り ~
深夜、丑寅の時刻に人形を椅子に座らせて、それに向かって語り続けることで人形に霊を憑依させるという儀式。
どんな霊が降りてくるのかは不明のため、素人が下手に行うと取り返しのつかない事態に陥ることもある危険な儀式である。
分類 : 幽霊
登場作品 : 猟闇師 ~ 淵から来る者 ~
人間の持つ強い情念や、何らかの理由で切り離された無意識が、独立した霊的存在となったもの。
基本的に本体からコントロールすることはできず、生霊自身の意思によって勝手気ままに行動する。
その行動原理は、生霊が発生した際の理由に起因するものが多い。
形状も様々であり、人や獣の形をしたものから、果ては植物のような形をしたものまで千差万別。
また、この生霊を自由に操れるようにしたものが、上記の妖式神である。
なお、本体から独立しているとはいえ、それでも完全に分離しているわけではないためか、生霊がダメージを受けると本体の魂もまた等しく傷付くことになる。
そのため、多くの霊能者は生霊を鎮めるために説得という手段を取らざるを得ず、力技での除霊や浄霊が難しい存在でもある。
分類 : 悪霊、憑き物
登場作品 : 猟闇師シリーズ全般
主に四国地方に伝わる憑き物で、動物を用いて人為的に作り出された祟神の一種。
その作り方は極めて残酷で、敬虔な仏教徒などからすれば、明らかに外法の一つに数えられる。
具体的には、まず犬を首だけ出して地面に埋めておき、その鼻先に餌をちらつかせておく。
そして、限界まで空腹が高まった瞬間に首を刎ね、その首を人の行き交う道の真ん中に埋めておく。
そうやって、犬の首の埋まっている地面を人に踏ませることで恨みの念をさらに高め、悪霊同然の存在となったところで首を掘り出して、祠に祭り神とするのである。
こうして作られた犬神は、術者の命令ならなんでも聞くという反面、術者の願いを叶えるためには手段を問わないような行動に出るという。
それこそ、目的のためなら他人に憑依して殺してしまうことさえも厭わない。
また、犬神は代々家に憑くとされたため、四国の一部地方では、犬神筋の家は一般家系の人間と婚姻を認めてもらえないなどの差別を受けることがあった。
猟闇師シリーズでは、主人公の犬崎紅が使役する霊的な存在として登場。
普段は彼の影の中に潜み、霊的な存在との戦闘時には巨大な犬の姿として実体化する。
分類 : 因習,管理人オリジナル
登場作品 : 猟闇師 ~ 黒子消 ~
東北地方の神凪村に伝わる伝承に登場する、生まれ持って障害を抱えた子供のこと。
今でこそ差別表現として用いられることはないが、昔は労働力とならない障害者を間引くという名目の下、彼らは生まれて間もなく殺される運命にあった。
だが、どのような姿をしていても、母親にとっては自分の腹を痛めて生んだ子に変わりはない。
その事実が禍妻様の悲劇を引き起こし、今もなお暗い影を神凪村に落としている。
分類 : 呪い,儀式
登場作品 : 猟闇師 ~ 鬼舞の家 ~
深夜、丑寅の時刻(今で言う2時~3時の間)に、白装束に身を包み、藁人形を神社の御神木に打ちつけるという伝統的な呪いの儀式。
もっとも、今では他者を呪い殺す儀式としての側面が強いが、本来の丑の刻参りは、自らを鬼と化すための儀式だったという。
この儀式を日本で初めて行ったのは、宇治の橋姫と呼ばれる平安時代の女性である。
橋姫は嫉妬深い女であり、その嫉妬故に、自分の想い人が他の女と交際するのが許せなかった。
そこで、橋姫は夜な夜な貴船神社へ参拝し、貴船大明神から神託を授かる。
神託によれば、白装束に身を包み、顔を朱で染め、頭に鉄輪を乗せ、鉄漿(おはぐろ)を塗り、口に櫛を咥え、一本足の下駄を履いた状態で、二十日間宇治川の中に身を浸せば、鬼の力を授けてもらえるとのことだった。
橋姫は神託を実行し、やがて本物の鬼となって、自分の意中の相手を奪った女を殺す。
が、本来のターゲットを殺してしまったことで、橋姫の中に宿った呪いのパワーは暴走してしまい、最後は誰かれ構わず殺しまくる殺人鬼に成り果ててしまった。
結局、恨みが転じた呪いのパワーをコントロールできずに悪鬼となってしまった橋姫は、阿部清明の勅命によって妖怪として討伐された。
なお、この話はあくまで『平家物語・剣巻』にある伝説であり、必ずしも史実とは言い難い部分もある。
分類 : 伝説
登場作品 : 猟闇師・零 ~ 亡者船 ~
巨大な海の怪物の話は、世界中で枚挙に暇がない。
日本の海坊主を始め、リヴァイアサン、クラーケン、ダゴンなど、様々な海の魔物が存在する。
それらの多くに共通するのは、巨大な身体を持ち、時に船を襲い沈めるというもの。
未知なる外洋への畏怖の念、航海中の暴風雨に対する恐れなどから生まれた話とされているが、未だ人類の発見していない巨大生物が深海に潜んでいる可能性も否定できない。
現に、ダイオウイカなど10mを越える巨大生物が海中に存在することは有名であり、シロナガスクジラに至っては、30mに達する個体もいるという。
猟闇師・零では、これらの魔物は全て同じ存在であり、姿形を自由自在に変えられるという話が犬崎美紅の口から語られた。
その本能は貪欲なまでに獲物を食らうことであるが、普段は海の奥深くに潜み、鯨等を食べているために実害は少ない。
だが、巨大な船舶と衝突して瀕死の重傷を負わされた個体が、船を乗員ごと吸収する形で異形の再生を遂げてしまった。
それらは幽霊船として、一種の暴走状態になったまま海洋を漂流しているという設定が用いられた。
分類 ; 凶方位
登場作品 : 猟闇師 ~ 鏡さまの儀式 ~
鬼門とは正反対にあるとされる、もう一つの凶方位。
現在の南西の方角に辺り、こちらも鬼門同様に忌むべき方位とされることが多い。
猟闇師シリーズでは、鬼門とは反対に現世から常世へ渡るための入口として登場。
通常、人の魂が常世へ渡る際には、この裏鬼門を通らねばならなくなる。
逆に、常世から現世に戻る際には、鬼門を通り抜けて帰る必要がある。
分類 : 妖怪
登場作品 : 猟闇師 ~ 鬼舞の家 ~ , ~ 鏡さまの儀式 ~ 他
日本に古来より伝わる妖怪の一種。
鬼門(丑寅)の方角よりやって来るとされ、故に牛の角と虎革のパンツをはいた姿で描かれる。
その他、現世に対して恨みを持ったまま死んだ人間は鬼となるとされたり、丑の刻参りのような呪いの儀式を経て生きながら鬼となることも可能とされる。
猟闇師シリーズでも、主に恨みや妬みの感情に支配されてしまった人間の成れの果てとして描かれることが多い。
分類 : 伝説,職業
登場作品 : 猟闇師 ~ 刹那の魔 ~
平安時代に活躍したとされる呪術者。
式神を操り魔物と戦う様ばかりが強調されるが、実際は天文学や風水学などに精通した、一種の学者のような存在だったとされる。
朝廷内部での仕事も暦を作るのが主なものであり、昨今の映画にあるようなゴーストバスター的な仕事は、あくまで副業。
また、それらの仕事のほとんどが、後に創作された伝説上のものだとされている。
猟闇師シリーズでは、第八弾より登場。
本作に登場する陰陽師、御鶴木魁は、どちらかと言えば幽霊退治の専門家的な側面が強い。
エンターテイメント性に配慮した結果、旧来の習わしに詳しい知識人ではなく、悪霊と率先して戦う様な、漫画やアニメの中での陰陽師像に近いものとなっている。
分類 : 妖怪,都市伝説
登場作品 : 猟闇師 ~ Jの祟り ~
2002年以降に、インターネットを中心として流布された謎の存在。
10人の人間が円形に並び、それぞれ隣の人の携帯電話に一斉に電話をかける。
当然、普通に考えれば電話は繋がらないのだが、このときに一つだけ≪怪人アンサー≫の電話に繋がっているものが存在するらしい。
電話の向こうのアンサーはどんなことにも答えてくれるが、最後にアンサーからも質問を返してくる。
その際、その質問に答えられない場合は、アンサーに身体の一部を引きちぎられて持って行かれてしまうとされている。
猟闇師シリーズでは、第二弾で嶋本亜衣が都市伝説の成立経緯を語る際、その一例として紹介された。
ちなみに、作中での亜衣の言葉通り、この話は後に創作であったことが判明している。
分類 : 管理人オリジナル
登場作品 : 猟闇師 ~ 古の呪 ~
高位の霊的な存在が、低級な動物霊などを自分の支配下におき、それを人間に憑依させることで生み出した操り人形。
基本的には簡単な命令しか理解することができず、その行動原理も至って単純。
ただし、霊が憑依した人間であることには変わりないため、時として常人では考えられないほどの怪力や身体能力を発揮することがある。
分類 : 管理人オリジナル
登場作品 : 猟闇師 ~ 鏡さまの儀式 ~
深夜の二時に、学校の旧校舎にある大鏡の前で合わせ鏡をすることで、自分が最も会いたいと思っている相手に会えるという儀式。
儀式に使う鏡は、昔から大切にされてきた歴史のあるものでなければならない。
猟闇師シリーズでは、第七弾のサブタイトルとしても登場。
だが、不完全な形で儀式が行われた結果、儀式の考案者が望む形とは違った結末を迎えることとなった。
分類 : 童謡,都市伝説
登場作品 : 猟闇師 ~ 鬼舞の家 ~
日本全国に伝わる有名な童謡の一つ。
一見して意味のわからない言葉が並んでいる歌詞のため、その本当の意味に関して様々な憶測をよんでいる。
親殺しや子殺しの歌、嫉妬に狂った姑が嫁を流産させる歌、死刑囚が斬首されるまでの歌など、その解釈は実に多種多様。
中には世界滅亡を予言している歌という説まである。
猟闇師シリーズでは、第三弾で嶋本亜衣の口から上記の説が語られた。
また、九条神社の神主である九条穂高から、管理人オリジナルの解釈(作中では穂高による創作という設定)も語られた。
分類 : 凶方位
登場作品 : 猟闇師 ~ 鏡さまの儀式 ~
風水や陰陽道の世界における、古来より鬼が現世にやって来る際の入口とされる方角。
丑寅(今でいう北東)の方角のことであり、鬼が牛の角と虎革のパンツをはいた姿で描かれる理由でもある。
猟闇師シリーズでは、第七弾に登場。
主人公である犬崎紅の口からは、単なる凶方位ではなく、常世から現世に渡るための一方通行的な扉であると語られた。
分類 : 妖怪,都市伝説
登場作品 : 猟闇師 ~ 古の呪 ~
1979年に、日本全国の小中学生を震え上がらせた謎の存在。
赤いコートを着た髪の長い女であり、口元を大きなマスクで覆っている。
そして、道で出会った相手に「私ってきれい……?」と尋ね、「きれい」と答えると「これでもぉ……」と言ってマスクを外し、耳まで裂けた口を見せる。
逆に「ブス」と答えると、怒り狂った口裂け女に鎌で斬り殺されてしまう。
その他、地域によって数多くのパターンがあるようだが、共通している部分は基本的に同じである。
弱点は≪ポマード≫で、これを三回唱えると撃退できるという説もある。
また、口裂け女は鼈甲飴が好物とさえ、これを与えると喜んで帰るらしい。
しかし、上記の二つ以外で彼女から逃げる術はほとんどなく、例え走って逃げても100m3秒という人間離れした怪速で追いかけられて捕まってしまう。
猟闇師シリーズでは、第一弾の中で刑事と監察医の話にその存在が登場。
猟奇殺人事件の犯人像について、女医の芹沢初美が口裂け女の存在をほのめかした。
分類 : 呪い,都市伝説,管理人オリジナル
登場作品 : 猟闇師 ~ 黒子消 ~
その昔、己の息子を殺された女性が復讐のために悪鬼と化し、その怒りを鎮めるために建てられたとされる揖斐呼神社。
その神社に奉納された水子供養のこけしを奪い、全身を黒く焼いた後に呪いたい相手の写真や身体の一部を入れて、再び奉納することで完成するという呪いである。
呪いの原型は丑の刻参りのそれに似るため、呪っているところを誰かに見られると自分に呪い返しが起こる。
また、この呪いを成就できるのは子を失った母親のみとされており、しかも呪える相手は女性のみに限定されている。
かなり使いどころの難しい呪詛ではあるが、その効果は絶大。
本編では寒村の女子高生を次々と襲い、彼女達の子宮を内部から焼き焦がすという残忍極まりない方法で地獄へ落としていった。
なお、こけしが水子供養のために作られたという話は完全な都市伝説、もしくは管理人の創作であり、本来は子供の誕生を祝って作られるものである。
分類 : 儀式,呪い,妖怪
登場作品 : 猟闇師 ~ 悪蟲夢 ~
大陸から日本に伝わった呪いの儀式の一つ。
猟闇師シリーズでは、第六弾に登場したアイドルの夢に、悪夢の形をとって現れた。
なお、本来は呪いの儀式ではなく、超常的な存在の力を借りて、自らの命を代償に富や名声を己のところへ引き込むための術である。
蠱毒を作る際には、まず毒虫や毒ヘビ、ヒキガエルなどの毒を持った生き物を壷の中にまとめて閉じ込め、そのまま蓋をして土の中に埋める。
そして、中で互いに共食いをさせ、最後に生き残った者を取り出して、乾燥させてミイラとする。
こうして作られた蠱毒は、その呪力によって持ち主に富をもたらす代わりに、その持ち主の精神を徐々に蝕んでゆく。
この性質を利用して、気に入らない相手に蠱毒を送りつけ、見知らぬうちに呪い殺すという使われ方をするようになった。
日本では、既に奈良時代から水面下で行われていたという記録もある。
なお、蠱毒の呪いを解くためには、蠱毒の呪力によって得た富と一緒に蠱毒を捨てるしかない。
しかし、人間は一度手に入れた富や名声を手放すことに難色を示すため、なかなか決断できない者も多い。
そうして決断を渋っている間に、本当に死んでしまうこともある。
真に恐ろしいのは蠱毒の呪力そのものではなく、命が削られると知りながらも富を手放すことのできない人間の欲深さなのかもしれない。
分類 : 儀式,悪霊
登場作品 : 猟闇師 ~ Jの祟り ~
10円玉と文字盤を使って呼び出すとされる、あまりに有名な降霊術の一つ。
その原型は欧米で用いられる≪ウィジャ盤≫であり、明治時代に日本に伝わった後、今のような形に変形していったとされる。
現在、こっくりさんは≪自動書記≫という一種の催眠術であると解釈され、霊的な存在による呪いや祟りの説は否定されている。
しかし、本当に怖いのは参加者が≪こっくりさんに呪われている≫と思い込んでしまうことであり、これによってノイローゼになったり自殺したりしてしまったりすることもある。
本当に怖いのは悪霊ではなく、人格崩壊を起こしてしまうほどの自己暗示の方である。
猟闇師シリーズでは第二弾で登場。
監察医である芹沢初美の口から、こっくりさんの正体や上記の危険性について語られた。