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File No.11 …… ひとりかくれんぼ

 

 まったく……亜衣ったら、どこに行ったのかしら?

 社務所の床に大穴開けて、自分だけさっさと逃げ出すなんて!!

 

 まあ、そう怒るな……と、言いたいところだが、そうも言ってはいられんな。

 看板の顔役がいなくなっては、このコーナーの存続に関わる。

  そういう問題じゃないわよ!

 亜衣、出てらっしゃい!

 隠れても無駄よ!!

  

 そうやって叫ぶと、余計に相手に警戒されるぞ。

 ここは一つ、俺と黒影に任せてもらおうか?

 

 黒影って……たしか、犬崎君の犬神だったわよね?

   ああ、そうだ。

 嶋本の臭いは、黒影も知っているからな。

 今からこいつに、嶋本の居場所を探させる。

 

 

――――数分後、洋服ダンスの前で……。

 

 

 

 さあ、亜衣!

 もう、逃げられないわよ!!

 

 観念しろ、嶋本。

 今のお前に、逃げ場はない……。

 うぅ……。

 まさか、こんなに早く見つかっちゃうなんて……。

 これじゃあ、『ひとりかくれんぼ』で生き残るのは、やっぱり無理かなぁ? 

 

 なに、人の家のタンスを勝手に荒らして言ってるのよ。

 それに、その『ひとりかくれんぼ』って何なの?

 

 なんだ、知らないの?

 前回、ちょっと話題にもなった、最凶最悪の降霊術の一つだよ。

 

 最凶最悪って……。

 まさか、それを実際にやろうとか思ってたんじゃないでしょうね!?

 

 えっ……そ、そんなことないよ!

 絶対にないから!!

 どうやら、図星だったようだな。

 で……その、『ひとりかくれんぼ』とは何だ?

 危険を伴う儀式というのであれば、外法使いとしては後々のために話を聞いておきたい。

 

 おっ、照瑠と違って犬崎君は空気読めるね♪

 それじゃあ、改めてお話しいたしましょう!!

 

 ホント、いつもいつも調子がいいんだから!

 まあ、折角だし、私も一緒に付き合ってあげるわよ。

 ふっふっふ、そう来なくっちゃね。

 それじゃ、今から私が『ひとりかくれんぼ』のやり方について話すけど……この話を聞いても、皆は間違っても実行しようとか考えないでね!

 とっても危険で、遊び半分でやると命に関わる儀式に違いないから。

 

  いったい、誰に向かって話してるのよ……。

 

 まあ、その辺は気にしないってのがお約束!。

 それで……肝心の方法なんだけど、まずは用意するべき物がいくつかあるんだよ。

 

 用意するべき物?

 こっくりさんみたいに、文字盤でも使うの?

 残念でした、違います。

 この儀式で用意するのは、中身を抜いたぬいぐるみ。

 後は、一掴みの米と自分の髪の毛か爪、それに赤い糸と食塩水の入ったペットボトル、包丁かカッターナイフみたいな刃物が必要なんだ。

 

 なんだか、家庭科の実習みたいね。

 で、その集めた道具、いったいどうするの?

 まず、ぬいぐるみの中に米と自分の髪の毛か爪を入れて、赤い糸で破れ目を縫っておくんだ。

 残った糸は切らずに、そのままぬいぐるみに巻き付けておく必要があるよ。

 

  ぬいぐるみの中に詰まっている物を、準備した物と交換するってことね。

 そういうこと。

 次に、ぬいぐるみを持ってお風呂場に行って、そこで命名式を行うよ。

 ぬいぐるみに向かって、『あなたの名前は○○』と三回唱えてね。

 

 名前?

 それ、どんな名前でも構わないの?

 うん。

 歴史上の人物でもいいし、自分の知っている人でもいいし、完全に架空の名前でもいいんだ。

 そうやって名前をつけた人形に、今度は『最初は私が鬼』と言ってあげる。

 で、自分はお風呂場から出て、三十秒数えるんだよ。


 

 まずは自分が鬼だから、数を数えるってわけね。

 その後は、どうするの?

 カウントが終わったら、またお風呂場に戻って、むいぐるみに向かって『○○、見~つけた』って言うんだ。

 そして、持っていた包丁とかナイフでぬいぐるみを刺して……『次は○○が鬼』って言って、水の入っている浴槽に沈めちゃうんだ。


 

 ちょっ……ナイフで刺すって、なんだか急に話が乱暴になって来てない?

 そういう儀式なんだから、仕方ないじゃん。

 後は、さっきと同じ三十秒以内に、塩水の入ったペットボトル持って家のどこかに隠れる。

 その前に、砂嵐状態にしたテレビをつけっ放しにしておくと、霊が現れたのかどうか判断し易いよ。


 

 テレビ?

 そんなもの、いったいどうするのよ?

 本当に霊が現れたら、テレビは消えちゃうんだってさ。

 まあ、他にもラップ音とかポルターガイストとか、お約束な心霊現象の数々が起きたって報告は聞いてるよ。

 

 なんだか、あまり進んでやりたいとは思わない儀式ね……。

 それで、最後はどうするの?

 最後ってことは、儀式を止めたいってことかな?

 だったら、ペットボトルの塩水を口に含んで、そのまま風呂場に向かうといいよ。

 塩水を口に含んでいれば、霊には見つからないっていうからね。

 まあ……逆に、心霊現象に驚いて塩水口から吐いちゃったら、命の保証はないんだけどさ……。

 それに、場合によってはぬいぐるみがお風呂場から移動していることもあるみたいで……そうなったら、なんとしても家中探してぬいぐるみ発見して、ゲームを終わりにしないとね。


 

 命の保証って……そんなに危険な儀式なの!?

 そうだよ。

 だから、やる方も慎重にやらなきゃいけないし、せいぜい二時間くらいで中断しないと本当に危険だって聞くね。

 ちなみに、塩水吐くのと同じで、外に逃げ出すってのはアウト。

 こうなると、ずっとゲームが終了しないから……もう、どうなっちゃうか私にもわかんないな。


  

 なんだか今までの話と違って、随分とリアリティのある内容ね。

 どころで、ぬいぐるみ見つけたらどうするわけ?

 口に含んだ塩水を吐きかけて、それから残りのペットボトルの塩水も全部かけるんだ。

最後は『私の勝ち』って三回唱えると、そこでゲーム終了。

 翌日、儀式に使ったぬいぐるみを焼けば、後は何も起こらない……はずだよ。


 

 何も起こらないはずって……それも保証ないの!?

 うん。

 実際に試した人の話だと……まあ、何もなかったらしいけどね。

 でも、最後は完全に焼かないと駄目だよ。

 くれぐれも、燃えないゴミなんかに出さないようにね。

 

 そんな気持ちの悪い物、さっさと捨てちゃいたいってのが本音だけど……。

 って、犬崎君、さっきから黙り込んで、どうしたの?

 

 いや……今回の話だが……正直、これは危険すぎる。

 外法使いの俺から見ても、絶対に試さない方がいいと言えるな。

  

 いつになく真剣ね。

 やっぱり、ただの噂じゃなくて、本当に危険な儀式なんだ……。

  ああ。

 嶋本の話を一つずつ整理すれば、おのずとその危険性に気づきそうなものだがな。

 

 そんなこと言われたって、私達は霊能力者じゃないもんね。

 ちゃんと教えてくれないとわかんないよ。

 いいだろう。

 まず、最初に登場したぬいぐるみに詰める物だが……米は肉を、縫合に使った赤い糸は血を表していると言えるな。

 これは、人形に肉体を与え、命を吹き込む儀式に相当する。

 

  人形に命って……そんなこと、出来るの!?

 古来より、人形には魂が宿るとも言われているからな。

 加えて、人形の中に自分の髪の毛や爪を入れたことで、その人形は爪や髪の毛の持ち主と霊的に繋がっている状態になる。

 これは、呪いの藁人形などと同じ物だ。

 

 呪いの藁人形?

 と、いうことは……ま、まさか、『ひとりかくれんぼ』の儀式ってのは……。

 お前の考えている通りだ、嶋本。

 これは、自分の分身を作り、それに呪いをかける儀式に相当する。

 しかも、ただの分身じゃない。

 最初に名前をつけておいたことで、分身でありながら自我を持った存在になるんだ。

 だから、ぞんざいに扱われれば不満を抱くし、傷つけられれば怒りもする。


 

 ちょ、ちょっと待ってよ!

 それじゃ、そんな人形をナイフで刺したり、湯船に沈めたりなんてしたら……。

 当然、人形の……強いては、人形に宿った魂の怒りを買うだろうな。

 そして、その人形は己を傷つけた人間を恨み、復讐を開始する。

 かくれんぼの名を冠しているが、実際、この儀式は霊的な存在を相手にした、『殺人ゲーム的な鬼ごっこ』と言っても過言でないかもしれん


 そう言えば、一部地域では『一人鬼ごっこ』なんて呼ばれてた気もするね。

 後、似たような遊びでは『太郎さん、花子さん』なんてのもあって……やり方は似ているけど、自分の名前を書いた紙人形を家のあちこちに隠すことで、相手の目を多少ごまかせるって話だよ。

 なるほど、『人型』か……。

 確かに、古来より紙人形は身代わりとして使われることも多いからな。

 だが、それで常に騙せるほど、相手も単純ではないだろう。

 口に含む塩水もそうだが……所詮は気休め程度の効果しかないだろうな。


 

 なんだか凄い話になってきたけど……やっぱり、他の降霊術と同じで、素人が

安易にやっていいものじゃないみたいね。

 そういうことだ。

 特に、この『ひとりかくれんぼ』は、自分で自分を呪うようなものだからな。

 従来の降霊術と比べても、何の見返りも存在しない……極めて危険で、自分の命を粗末に扱う遊びと言える。

 う~む……。

 そこまで言われると、私も試すのはちょっと止めといた方がいいんじゃないかって思えてきましたぞ。

 なんだかんだ言っても、やっぱり自分の命が大事だからね。

 皆も遊び半分で、こんな儀式に手を出したら絶対に駄目だよ!!

 

 だから、さっきから誰に向かって話してるのよ……。

 気にするな、九条。

 ところで……嶋本は、そろそろ床の修理代を払う覚悟は決まったか?

 次に逃げたら、さすがに友人の縁を切られる可能性もあるぞ?

 そ、そうでしたぁぁぁぁっ!!

 でも、今はちょっと持ち合わせが……。

 なんとか見逃してくれませぬか、照瑠どの……。

 なに、馬鹿なこと言ってるのよ!

 あなたが床板に穴を空けてから、もう随分と経ってるんだから!!

 いいかげん、私もこれ以上は待てないわよ。

 諦めろ、嶋本。

 なんだったら、俺が金を貸してやってもいいぞ。

 本当なら、日に三割の利子を取りたいところだが……特別に、十日で一割に負けてやろう。

 どっちにしろ、とんでもない高金利じゃん!!

 ああ、折角今まで、コツコツ貯めてきた私の貯金がぁ~。

 今度から、登場する時には社務所を壊さずに照瑠達をびっくりさせられるよう、ちゃんと考えておかないと……。

 

 お金は払うけど、登場の仕方について反省する気はないってわけね……。

 なんというか、先が思いやられるわ……。

 本ページの画像は、一部、ギャラリー田園調布様キャラメイクファクトリーを使用して作成させていただきました。

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