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File No.13 …… テケテケ

 うぅ……。

 だんだんと冷え込む季節になってきましたなぁ……。

 こう寒いと、朝起きて布団から出るのも一苦労だね。

 

 なに言ってるの!

 あなたの朝寝坊は、季節に関係ないじゃない。

 わはは、バレましたか!

 でも、こんなに寒いとマジで身体の芯から凍りついちゃいそうになるよね。

 建物の中は暖かいけど、油断して防寒着忘れると洒落にならないよ。

 社務所にコタツ出してもらえて、本当に助かるね。

 確かにな。

 俺は四国の生まれだから、東北の寒さには無縁だったが……ここまで寒いとは、正直なところ思ってもいなかった。

 正に、血も凍るような寒さと言った方が正しいのか?

 

 血も凍るような寒さ、ですか。

 それじゃあ、今日はそんな都市伝説を御紹介しましょうかな?

 

 血も凍るような都市伝説って……季節外れの怪談話でもするつもり?

 まあ、そういうことになるね。

 でも、照瑠の考えているような話とは、ちょっと違うかもしれないよ。

 今回の話は文字通り、『血が凍る』ことで起きた話とも言えるし。

 話の先が見えて来ないな。

 実際、この地球でも気温が氷点下になるような場所は存在するが……人間の血液は、そう簡単に凍結したりしないものだぞ。

 確かに犬崎君の言う通り、普通に雪山なんかで遭難しただけじゃ、凍傷になることはあっても血液が凍りつくことはないだろうしね。

 ただ……その血液も、外の空気に触れちゃったとしたら、話は別だよね。

 

 どういうこと?

 えっと……とりあえず、順を追って説明しないといけないね。

 私達の住んでる東北も雪が多いことで有名だけど、日本にはもっと寒い場所があるのは知ってるよね?

 

 東北より寒い場所?

 北海道とか、その辺かしら?

 うん、正解だよ。

 これは、その北海道で起きた事故なんだけど……照瑠は『汽車枕』って言葉、聞いたことある?

 

 そんなの初耳だわ。

 汽車の形をした枕……ってことじゃないわよね?

 当たり前だ。

 『汽車枕』というのは、平たく言えば自殺の方法のことだぞ。

 走行中の列車に自分を轢かせるため、敢えて線路に寝そべって自分の身体が轢断されるのを待つ……。

 それで間違いないはずだな、嶋本?


 おお、やはり犬崎君は知っておりましたか。

 今じゃ飛び込み自殺の方が有名だけど、昔は『汽車枕』で死ぬ人も多かったみたいだね。

 

 汽車に自分を轢かせるって……なんか、想像しただけでも怖過ぎるんだけど……。

 それが普通の考えだ。

 だが、自殺を思い立つほど追い込まれている者からすれば、お手軽に死ねる方法として選択肢の候補に上がってもおかしくはない。

 もっとも、人に迷惑をかけずに楽に死ねる方法など、実際は存在しないからな。

 自分で自分の命を断つ行為など、どちらにせよ勧めはしないが……。

 

 当前でしょ、そんなの!

 で、その『汽車枕』が、今回の話と何の関係があるのよ?

 うむうむ、よくぞ聞いてくれました。

 これは、昔の北海道であったとされる事件なんだけど……冬の寒い日に、とある踏切で女性が貨物列車に轢かれちゃったみたいなんだよね。

 自殺なのか事故なのか、真相は色々と噂されているみたいだけど……その辺は重要なことじゃないんだ。

 本当に怖いのは、むしろこの後の話だよ。

 

 本当に怖いって……列車に轢かれたんなら、その人は即死だったんじゃないの?

 それとも、まさかその女の人の亡霊が、妙な呪いでも残したとか?

 う~ん……。

 残念ながら、似てるけどちょっと違ってるね。

 事故に遭った女の人なんだけど、実は即死じゃなかったんだ。

 確かに身体は列車に轢かれて真っ二つになったけど……一瞬じゃ死ねなくて、しばらくは上半身だけで苦しみながら這い回っていたみたいなんだよね。

 うわ、最悪……。

 痛くて怖いだけじゃなくて、そんな姿になっても死ねないなんて……。

 でも、なんでその女の人は、列車に轢かれたのに即死しなかったのかしら?

 普通だったら即死だよ。

 でも、冬場の北海道の寒さは尋常じゃないからね。

 列車に轢かれて身体が真っ二つになっても、寒さで血管が収縮して、更には傷口も凍りついて……出血が抑えられたから生きていたって言われているよ。

 なるほど、それで『血の凍る』都市伝説って言ったわけね。

 一瞬で死ねないで、じわじわと苦しみながら死んで行くなんて……考えただけでも恐ろしいわ。

 ふっふっふ……甘いですぞ、照瑠殿。

確かに事故の話も怖いけど、この話はこれで終わりじゃないんだよね。

最終的に、その女の人も死んでしまったんだけど……その人の霊は、この話を聞いた人のところに3日以内に現れて、話を聞いた人を恐ろしい目に遭わせるんだってさ。

 有名なのは、自分の失った下半身の代わりに他人の脚を奪うって話かな?

今では『テケテケ』、事故が起きた旭川の辺りでは『シャカシャカ』なんて呼ばれて、地元では口に出すのも憚られるって感じみたいだね。

 上半身しかないけど、猛烈なスピードで這いながら追いかけて来るから、逃げても絶対に助からないんだってさ。


 

 ちょっと、またそんなオチなの!?

 そういうことは、話を始める最初に言いなさいよね!!

 それじゃ、話す方としては面白くないじゃん!

 心配しなくても、テケテケを追い払う呪文を唱えれば、それから先は狙われなくなるから大丈夫だよ。

 

 呪文、か……。

 真言のような経を読むのでは駄目なのか?

 たぶん、効果ないと思う。

 それに、巷に伝わってる呪文……例えば、『地獄に帰れ!!』みたいな合言葉も、どこまで効果があるかは疑問だし……。

  

 結局、何の解決にもなってないじゃない!

 話を聞かせるだけ聞かせて、最後はそれなの!?

 

 そう怒るな、九条。

 確かに興味深い話ではあるが……今回の嶋本の話には、致命的な欠点がある。

 

 欠点?

 そうだ。

 冬の北海道の寒さは強烈なのかもしれんが、轢断された人間の血管を収縮させ、血を止めるまでには至らない。

 大方、何か別の大きな事故があって、それを元に誰かが話を誇張して作り出したということではないのか?

 うぐっ……実に鋭い御指摘で……。

 まあ、私も色々調べてはみたけど、そんな事故が起きたって記録はどこにもなかったんだよね。

 唯一、轢断事故の記録があったにはあったけど……欠陥車両のせいで運転士が巻き込まれて、下半身を切断されたってのがあっただけでさ。


 恐らく、その事故をモデルに誰かが作った話なのだろうな。

 寒さがどうの、血管がどうのといった、実に最もらしい話を並べ立てて話の信憑性を強化する。

 『口裂け女』の整形手術ネタもそうだったが、この手の話にはよくあることだ。

 犬崎君の言う通りかもね。

 そうすると、結局はテケテケの話っていうのも、誰かの創作に過ぎないってことかしら?

 

 今のところは、そういう結論になっちゃうね。

 でも、実はこの話、完全なオリジナルってわけでもなさそうなんだよね。

 

 オリジナルではない……?

 だとすれば、例の轢断事故の話とは別に、大元の話が存在するということか?

  

 あくまで可能性の話だよ。

 それを語るのは、次の機会にってことで……それじゃ!!

 

 おい……。

 あいつ、コタツを背中に背負ったまま、猛烈なスピードで這って行ったぞ……。

 

 こら、亜衣!!

 人の家のコタツを勝手に持って行くんじゃないの!!

 考えようによっては、あれもテケテケとやらの一種なのか……。

 新手の妖怪話よりも、俺にはあいつの存在そのものが、不条理の塊に思えてならんな……。

 本ページの画像は、一部、ギャラリー田園調布様キャラメイクファクトリーを使用して作成させていただきました。

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