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File No.16 …… 人面犬

 さて、と……。

 こんなもんでいいかな?

 うん、上出来、上出来♪

 

 いきなり人の家の社務所で紙を広げ始めたと思ったら……。

 いったい、何を作ってるの?

 

 おお、よくぞ聞いてくれました!

 何を隠そう、今日はコレを探すためのポスターを作ってたところなんだよね!!

 

 どれどれ……。

 『緊急手配! 人面犬捜索中!!』……って、なによコレ!?

  

 そんなの決まってるじゃん!

 人面犬を見つけて、一躍有名になる大作戦の第一歩だよ!

 

 人面犬って……あなたねぇ。

 こんなもの、どこかの誰かが流した作り話に決まってるじゃない。

 むぅ、失礼な!

 確かに、今じゃほとんど聞かれなくなって久しい噂だけどさ……。

 もしかして照瑠、人面犬が小学生が思い付きで考え出した、ネタ妖怪程度の存在だと思ってない?

 

 当たり前でしょ、そんなの!

 だいたい、身体は犬なのに顔だけ人間なんて……そんな無茶苦茶な生き物がいるわけないじゃない!!

 ふっふっふ……甘いですぞ、照瑠殿。

 確かに、自然の中では決して誕生しない生命体かもしれないけど……これが、人間の手によって誕生した生き物だとしたらどうかな?

 

 どういう意味よ、それ?

 よくぞ聞いてくれました!

 実は人面犬の話にも、色々とバリエーションがあってね。

 最初は『リストラされたサラリーマンの男の霊が犬に憑依して誕生した』とか、『妖怪の類で、霊感のある人間にしか見えない』なんて言われていたんだ。

 でも、いつしか『遺伝子操作によって作られた生命体』だとか、『環境汚染によって誕生した突然変異』なんて話が、まことしやかに人々の間で囁かれるようになったんだよ。


 遺伝子操作って……。

 まあ、確かに幽霊云々の話よりはリアリティあるかもしれないけど……。

 そもそも、遺伝子操作であんな生物を作ることが可能なの?

 う~ん……。

 それは、私にもなんとも言えないね。

 遺伝子操作や環境汚染では生まれなくても、人間が後から改造すれば可能じゃないかな?

 それこそ、どこぞの特撮番組の怪人みたいに、『怪奇!●●男!!』みたいなノリでね。

 一説によると人面犬は、整形手術で口裂け女を生みだした医者が、その後に気が狂って作り上げた生き物だって話もあるくらいだし……。


 

 まあ、どっちにしろ荒唐無稽な話に違いはないってことね。

 だいたい、口裂け女の話だったら、このコーナーの最初のネタで解決済みよ。

 

 うぐぐ……。

 まあ、確かにそう言われると、身も蓋もないんですけどなぁ……。

 

 

――――ガラガラガラ

 

 

 

 なんだ、お前達。

 こんなところで紙やペンを広げて……工作大会でも始めたのか?

 

 あっ、犬崎君!

 調度良いところへ!!

 

 調度良いところ?

 

 そうだよ。

 今、私から照瑠に、人面犬について色々と語っていたところなんだ!

 

 人面犬か……。

 なるほど、それで俺に話を聞きたいというわけだな?

 

 勿論、タダでとは言いませんぞ。

 ここは一つ、駅前の甘味屋のクリーム餡蜜を御馳走するということで……。

 

 いいだろう。

 人の頭を持った犬の話なら、俺も少しばかり知っているからな

 

 いよっ!

 待ってましたぁ!!

(そういえば、犬崎君って物凄い甘党だったのよね……)

 へぇ、犬崎君も知ってるんだ。

 私はてっきり、そんな下らない話は軽く流しちゃうと思ってたのに……。

 そうしたいのは山々だが、報酬が関わっていれば話は別だ。

 もっとも、俗に語られている改造生物云々等という話は、俺は端から相手にするつもりはないんだが……。

 

 それじゃあ、なにかもっと別の話があるってわけね。

 そういうことだ。

 そもそも人面犬という存在は、なにも近代になってから急に現れたものじゃない。

 古くは江戸時代から、既にその存在が語られていたんだ。

 

 江戸時代!?

 な、なんと……まさかそんな古くから、人面犬が存在していたとは……。

 お前が驚くのも無理はない。

 だが、記録によれば文化7年と文政2年、とある雌犬が産んだ仔犬が人の顔をしていたそうだ。

 特に文政2年に現れた人面犬は、猿のような顔をしていた上に、前足まで人間のものだったというぞ。


 前足まで人間って……それ、もう人面犬っていうよりは、ほとんど別の怪物みたいな気がするんだけど……。。

 それこそ、エジプトのスフィンクスみたいなね。

 言われてみれば、スフィンクスも人面の怪物だったよね。

 人面犬に特化して考えるとアレだけど、人の頭を持ったモンスターの話だったら、まだまだ他にもありそうだよね。

 その通りだ。

 俺の知る話では、他にもブラジルの伝説にあるロビスオメーンという怪物の話がある。

 こいつは犬というよりも、人面狼といった方が正しい怪物なんだが……暗い路地裏に隠れ、人を襲うといった性質を持つだけに性質が悪い。

 その上、この怪物に噛まれたが最後、噛まれた人間も同様の怪物に変貌してしまうそうだ。


 うげっ、最悪ね……。

 なんかもう、そうなってくると人面犬っていうよりは、むしろ吸血鬼の類に近いような気がしてきたわ。

 いやいや、そうとも言えませんぞ、照瑠殿。

 人面犬の噂の中には、噛まれた人間も人面犬になるっていう話がちゃ~んとありますからなぁ。

 犬崎君の言っていたロビスなんたらが人面犬の正体なのかは判りませんが……これだけ似たような特徴を持った怪物がいるとなると、その関係を疑いたくはなってくるよね。


 実際、どこまで関係があるのかは不明だが、同じ人間の考えることだ。

 似たような話が時代や場所毎に姿形を変えて誕生しても、それは何ら不思議なことではない。

 そうね。

 今までここで紹介してきた都市伝説だって、昔ながらの話に尾ヒレが付いて生まれたり、現代の社会に合わせた形で、新しく何かが作り直されて登場したりしたものが多かった気がするし。

 そういう意味では、人面犬も同じなのかな?

 高速道路を時速100kmで走って、追い抜かれると事故を起こすなんて話もあるし……後は、実は人面犬は宇宙人に改造された存在で、実験動物や生物兵器なんていう設定もあるくらいだからね。

 前半の話は、ターボババアの話が形を変えたものだろう。

 後半の話は、人面犬の話が流行していた当時の社会状況について考えれば簡単だろうな。

 幽霊や妖怪の話以上に、宇宙人やUFOについての番組が盛んに放送されていた時期とも一致する。

 それらの話が複合されて、現代の人面生物の代表として、人面犬は誕生したということだろうな。


 

 要するに、いつものパターン通りなオチってわけね。

 まあ、これで亜衣も納得して、人面犬を探すなんて言わなくなるでしょ。

 いやいや、それとこれとは話が別だよ。

 これだけ世界中に色々な話があるんだから、本物の人面犬だってきっといるはずだよね!

 と、いうわけで……私は引き続き、人面犬の調査を行わせていただきますぞ!

 上手く捕まえてテレビ局にでも売り込めば、一攫千金も狙えるかもしれないしね!

 なるほど、一攫千金か……。

 ならば、俺も協力させてもらおう。

 分け前は、当然五分五分にさせてもらうが……構わないか?

 

 おお、これは心強い味方が!

 それじゃ、とりあえずその辺の路地裏を、犬崎君と一緒に散策して来るね~♪

 あ、行っちゃった……。

 まったく、二人ともお金には目がないというか、単に強欲なだけというか……。

 人面犬って人間に見つかると『ほっといてくれ』なんて悪態を吐くらしいけど、案外彼らの立場からしてみたら、そう言いたくなるのも解らなくはないかも……。


 本ページの画像は、一部、ギャラリー田園調布様キャラメイクファクトリーを使用して作成させていただきました。

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