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File No.30 …… 小さいおじさん

 

 う~ん……見つからないわねぇ。

 あれ、どこに行ったのかしら?

 

 おや、照瑠殿。

 何かお探しですかな?

 えっ!?

 うん、まあ、ちょっとね。

 昨日買ったはずの本が、どこにも見当たらなくて……。

 

 ほうほう、なるほど……。

 それはもしかすると、小さいおじさんの仕業かもしれませんなぁ……。

 

 なによ、その小さいおじさんって……。

 それと私の本と、いったい何の関係があるの?

 関係っていうよりは、可能性の話だけどね。

 小さいおじさんっていうのは、その名の通り物凄く小さなおじさんで……身長は、だいたい8cmから20cmくらいかな?

 人の見えないところで悪戯をするとも、幸運を呼ぶとも言われている存在だよ。

 なにその、絵に描いたような小人は……。

 しかも、なんでよりにもよっておじさんなわけ?

 普通、小人とか妖精さんっていうのは、もっと可愛らしい姿をしているものだと思うんだけど……。

 そんなの、私に訊かれても知らないよ。

 でも、このおじさんの目撃談がたくさんあるのは確かだからね。

 ミュージシャンとかグラビアアイドルとか、たくさんの芸能人から見たって報告があるみたいだし。

 

 芸能人の目撃談、ねぇ……。

 単に、自分の名を売って有名になるために、面白い話をしたってだけじゃないかしら?

 むぅ、失礼な!

 まあ、確かに中には与太話の類もあったかもしれないけど……それでも、小さいおじさんの住処って言われてる神社だって、関東地方にはあるんだからね!

 えっと……先に言っておくけど、頼むからうちの神社にだけは、そんな得体の知れない者を呼び込まないでね。

 興味本位で参拝に来られると、それだけで大変なことになりそうだから……。

 な、なぜそれを!?

 もしや照瑠殿、密かに読心術の修行をしておりましたな!

 きっとそうだ!

 そうに違いない!

 

 なに、馬鹿なこと言ってるのよ。

 だいたい、あなたの考えていることなんて……。

 

 

――――ガラガラガラ……。

 

 

 

 どうした、二人とも?

 今日も今日で、なにやら取り込み中か?

 あ、犬崎君!

 実は、照瑠の本が、小さいおじさんに隠されちゃったんじゃないかって話になってね。

 今、ちょっと探してたところなんだ。

 ちょっと!

 なに、勝手に話を作ってるのよ!

 だいたい、さっきから小さなおじさんの話はしてたけど、本は全然探してくれてないでしょ!?

 わはははは!

 そうでした~!!

 ……で、ところで犬崎君。

 犬崎君は、小さいおじさんについて、何か知ってることはない?

 

 いや、俺も初耳だな。

 だが、小人の話というならば、いくつか思い当たるものはあるぞ。

 

 ほうほう、それはどんなものでしょうか?

 俺が知っている中で有名なのは、まずは北海道のコロポックルだな。

 アイヌ語で、『蕗の葉の下の人』の言葉で、要するに小人だ。

 人前には滅多に姿を見せず、古代アイヌ人との交易の際にも、夜中に差し入れをするような形でしか関わらなかったらしい。

 

 おお、なんか物凄く小さいおじさんに似てますぞ!

 それじゃ、そのコロポックルが、何か悪戯をしたっていう話はないんですかな?

 残念ながら、そちらの話はあまり聞かないな。

 そう言う意味では、日本古来の妖怪や精霊ではなく、外国の妖精の方が近い存在になるかもしれん。

 

 妖精、ねぇ……。

 女の子だったらまだしも、おじさんの妖精なんて、あまり考えたくはないんだけど……。

 いや、そうとも言い切れん。

 恐らく、九条の考えているのは、一般的に言われる花の妖精の類なのだろうな。

 だが、実際にはそれだけでなく、実に多種多様な妖精や精霊の伝説があることも事実だぞ。

 なんと!

 外国には、本当におじさんの妖精がいるんですか!

 これはいよいよ、小さいおじさんの信憑性が増して来ましたぞ!!

 そんなに驚くほどのことでもないとは思うが……。

 例えば、お前達も童話の『小人と靴屋』の話は知っているだろう?

 あの話に出て来た『レプラコーン』という妖精は、嶋本の言っているような小さいおじさんの妖精だ。

 悪戯をすることもあるが、基本的には仕事が好きで、働き者の人間には力を貸してくれることもあるらしいな。

 ただ、謝礼に菓子や衣服などを置いておくと、自分の正体を見られたことに感付いて、去ってしまうらしいんだが……。


 なるほどね……。

 亜衣の話に近いのは、そのレプラコーンじゃないかしら?

 でも、外国の妖精が正体なんだったら、どうして今になって、日本で語られるようになったのかしら?

 それは、俺にも判らんな。

 そもそも、嶋本の言う小さいおじさんの正体が、レプラコーンと決まったわけではない。

 小人の伝説ということであれば、地域差こそあれ、そこかしこに転がっているだろうからな。

 まあ、確かにね。

 妖精の他にも、未確認生物説とか宇宙人説とか、色々あるし……。

 こうなったら、ここはやっぱり、実際に捕まえて正体探る必要がありますなぁ。

 そして……見事に捕獲できた暁には、私も一躍有名人だね!

 どこぞの研究所に売れば、意外と高く売れたりして……。

 なにかと思えば、またそんな下らないこと考えてたってわけね。

 ところで……私の本、いったいどこに行っちゃったのかしら?

 まだ、全部中身も読んでなかったのに……。

 本だと?

 そういえば、さっき嶋本が、玄関の近くで何かを叩くのに使っていたのを見たな。

 確か……害虫を叩き殺してやるとか、そんなことを言っていたような気が……。

 Σギクッ!!!

 え、え~と、なんのことでございましょうか?

 私、本なんて知らないよ?

 黒い物潰すのになんて、全然使ってないよ、うん!!

 

 亜衣……まさかあなた、私の本を……。

 っていうか、黒い物ってなによ、黒い物って!!

 大方、春先になって暖かくなってきたところで、冬眠中だったゴキブリでも顔を出したんだろう。

 殺虫剤が無い場合は、その辺の物を鈍器にして潰すのも仕方ないことだしな。

 い、いやですなぁ、犬崎君。

 そんなはず、ないじゃありませんか!

 あれは……そう、小さいおじさんを見つけたから、捕まえようと思って叩いたら、勢い余って潰しちゃったんだよ!

 そういうことなんだよ、そうしよう!

 ちょっ……冗談じゃないわよ!

 新品の本で、しかも人の物でゴキブリ潰すとか、信じられないんだけど!!

 亜衣……あなた、どうなるか、解っているんでしょうね……。

 ノ、ノォォォッ!!

 誤解だよ、照瑠~!!

 それもこれも、全部小さいおじさんのせいなんだって!

 そうに違いないんだってば~!!

 やれやれ……。

 いくら悪戯好きな存在とはいえ、こうなんでも責任を押し付けられたら、小さいおじさんとやらも大変だな。

 案外、濡れ衣を晴らすために、憤慨して姿を現すかもしれんが……。

 本ページの画像は、一部、ギャラリー田園調布様キャラメイクファクトリーを使用して作成させていただきました。

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